腹腔鏡下結腸・直腸切除術

大腸がんに対しての腹腔鏡治療

本腹腔鏡下結腸・直腸切除術とは、主に大腸・直腸癌に対して腹部に4~5か所の小さな穴をあけ、そこから腹腔鏡と鉗子を挿入して、腹部の内側で腫瘍部の切除とリンパ節郭清を行う手術です。開腹手術と比べると傷が小さく、手術中の出血量が少なく、腸管の回復が早く、入院期間が短く済むことが報告されており、日本においても2012年を境に大腸癌に対する腹腔鏡手術数が開腹手術数を上回っています。

当院の現状と安全な治療への工夫

通常、腹部に5か所の小さな穴をあけ、そこから腹腔鏡と鉗子を挿入し、切除や腸管の吻合を行っていきます。病変の部位によって、また病変の進行度によって、手術術式の手順や難易度は異なりますが、当院では特別な問題点がなければ、病変部位に関わらず基本的に腹腔鏡手術を標準適応と考えています。2019年の実績では大腸・直腸癌手術の約75%が腹腔鏡で施行されています。直腸癌手術に関しては、下部直腸癌でも可能な限り肛門温存し、永久人工肛門を回避するような治療を選択しています。

また、手術のクオリティおよび安全性を確保するため、全例に日本内視鏡外科技術認定医が手術参加し、術前に血管の関係性を3Dにて把握、また3D腹腔鏡を使用し、術中の立体感を保持しながら手術を施行しています。

大腸がんに対するチーム医療

当院ではクリニカルパスを用いて、医師・看護師・栄養士・リハビリ部門など複数の職種が一つのチームとなって患者さんの入院、手術、術後のケアを行える体制を整えています。標準的には手術前日に入院していただき、術後経過が順調な場合手術後7日前後での自宅退院を目指すプランとなっています。手術後の仕事復帰は、デスクワークであれば術後2週間程度、肉体労働の方であれば手術後2~3週間程度で復帰が可能です。腹腔鏡下結腸・直腸切除術は保険適応の治療であり、通常の健康保険や高額療養費制度が問題なく適応できます。

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