腹腔鏡下鼠経ヘルニア根治術

鼠径ヘルニアとは

鼠径ヘルニアは左右の下腹部の筋膜が弱くなり、お腹の中の圧によって伸びた腹膜の中に臓器が入り込み、外側に膨隆してしまう病気です。患者さんの多い病気で、俗に脱腸とも言われます。

鼠径ヘルニアに対する治療手段

世界の標準的な治療法は脱出している伸びた腹膜を切除し、弱くなった筋膜部を剥離して、丈夫な人工筋膜(メッシュ)を挟み込んで補強を行うことです。当院では通常は下腹部に小切開を行い、前方からメッシュで補強する手術を行いますが、両側にヘルニアがある方や、前方からの手術での再発の方には腹腔鏡でお腹の内側からメッシュによる修復を行った方が合理的なケースがあり、そうした患者さんの場合、腹腔鏡手術を適応としています。

入院生活と術後の経過

腹部に3か所の小さな穴をあけ、そこから挿入した腹腔鏡で内側からヘルニアの脱出を確認し、剥離やメッシュの挿入・固定を行います。

全身麻酔で、おおよそ片側で1時間程度の手術です。クリニカルパスに基づき、標準的には手術後1~2日程度での退院が可能です。仕事への復帰はデスクワークなら退院後すぐ、力仕事の場合、メッシュの位置ずれが起こりにくくなる2~3週間後を目安に復帰いただけます。腹腔鏡下ヘルニア根治術は保険適応の治療であり、通常の健康保険が問題なく適応できます。

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