動体追跡放射線治療・定位放射線治療

ピンポイントの定位放射線治療

転移がない比較的早期の癌に対する治療の第一選択は、多くの場合、手術となっています。一方で近年、放射線治療の技術、機器が発達し、腫瘍に対してピンポイントで高線量の放射線を投与する「定位放射線治療」を一般病院でも行うことができるようになりました。この方法により、早期肺癌や肝臓癌などにおいて、高齢者等に対しても安全に根治治療を行うことが可能となりました。当院においても80歳を超える方や、合併症によって手術の負担に耐えられないような方に対し、定位放射線治療を比較的安全に行うことができています。治療効果に関しても、手術に近い結果が、近年多数報告されています。

新潟県で唯一の動体追跡放射線治療

加えて、当院には県内で唯一(2021年4月時点)となる動体追跡システムが導入されています。肺や肝臓などの臓器は呼吸に伴って1cmから2cm程度の上下動を繰り返しています。そのため、ピンポイントの放射線治療を行う際の精度が落ちる可能性があったり、放射線を当てる範囲を大きくしたりする必要があります。治療を行う際、このシステムを使用することで、腫瘍近傍の肺や肝臓の動きをリアルタイムに観測することができ、腫瘍が特定の位置に来た時のみ、放射線を当てることが可能となります。そのため、照射範囲を縮小し、よりピンポイントに、より安全に治療を行うことが可能です。動体追跡を用いた治療を行う際には事前に金製のマーカーを腫瘍近傍に挿入する必要がありますが、そういった処置が可能な場合、当院では積極的に動体追跡を併用した定位放射線治療を行なっています。安全性の問題から動体追跡を併用した方が望ましい場合、新潟市や長岡市などの他の医療圏からの紹介で治療を行うこともあります。現在、当院では早期肺癌や肝臓癌に限定して動体追跡放射線治療を行なっております。対象となる方でご興味をお持ちの方は一度ご相談ください。

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