感染性胃腸炎が流行してきています!!

救命センターブログ

救命センター山口です。

今回は感染性胃腸炎の原因ノロウィルス(ノロ)のお話をします。

 

1月になり、嘔吐、下痢で受診するこどもさんが

急激に増えてきています。

このような感染性胃腸炎の原因はノロが多いです。

ノロは非常に感染力が強く、

わずか10個〜100個くらいでも

感染が起きてしまいます。

ヒトからヒトへうつっていくのは、

ウィルスで汚染された手や食べ物を介して

ウィルスが口に入ってしまうからです。

 

飛沫感染や空気感染も知られてはいますが、

頻度は多くはありません。

ほとんどが口からはいったノロによるものです。

ノロにかかった人の嘔吐物や下痢便のなかには

無数のウィルスがいるのです。

感染してから症状がでるまでの潜伏期間は

1〜2日間といわれています。

嘔吐物のあとかたずけの際に感染したり、

手洗いが不十分であると

家族内で流行がおきてしまいます。

 

予防はとにかく手洗いです。

ノロはアルコール消毒では死滅できません。

手洗いは石鹸をつけて、

流水でしっかりと洗い流しましょう。

 

嘔吐物のあとかたずけはタオルやペーパーできれいに拭き取り、

飛び散らないようにビニール袋にいれましょう。

 

ノロには次亜塩素酸ナトリウムが有効です。

最後の仕上げは次亜塩素酸ナトリウムで拭いてください。

この次亜塩素酸ナトリウムは、

ハイター、キッチンハイターという名前で

市販されているものです。

これを水でうすめて使用します。

ワイドハイターは成分が違いますので使用できません。

ヒトの皮膚には使用できません。

注意してください。

 

ハイター・キッチンハイターのうすめ方です。

空いた500mlペットボトルを用意してください。

手にハイターがつくとよくありませんので、

手袋を着用してください。

 

ペットボトルキャップ約1/2杯のハイターと水を

ペットボトルにいれて満タンにしてください。

これで約0.02%(200PPM)次亜塩素酸ナトリウム濃度です。

これを湿らしたタオルやペーパーで拭いてください。

 

まな板、調理用器具、ウィルスのつきやすい便座や

ドアノブなども、これで拭いてください。

金属は腐食しやすいので、

その後の薬剤の拭き取りには注意してください。

 

ノロの検査はできますかという質問が多いのですが、

ノロと診断ができても特効薬はありませんので、

調べてもあまり意味はありません。

ただし、3歳未満のこどもさんと65歳以上のかた、

癌の治療中のかたには検査ができます。

 

治療ですが、嘔吐、下痢で大量の水分が失われます。

これを補うためOS-1(オーエスワン)を飲むのがよいでしょう。

飲むと言っても、小さじ1杯を間隔をあけて

少しずつ飲むのがおすすめです。

吸収がよいので、嘔吐してしまったとしても、

それ以上に吸収できている可能性があります。

それでもよくならないのであれば

病院に電話相談をしてください。

必要があれば点滴などをすることがあります。

 

現在、インフルエンザが流行してきています。

感染性胃腸炎で病院にいったら

インフルエンザまでもらってしまったということもあり得ます。

症状がひどくないのであれば、自宅で対応するのもよい方法です。

 

救急外来

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