外来化学療法について
これまで、がん化学療法は入院して治療を行うことが一般的でしたが、新しい治療薬や副作用に対するお薬の開発により、今では外来でも安全に治療が受けられるようになりました。当院では、外来化学療法の良い点を最大限に活かし、リスクを少しでも減らせるよう以下のような体制を整え外来化学療法を行っています。
外来通院で化学療法を専門に行う部屋を外来化学療法室と言います。当院では、通院治療室と呼んでいます。
外来化学療法の良い点
外来化学療法は、治療の点滴を受けた後、家に帰ります。自宅での生活を続けながら治療を受けることは、治療後「自宅」という住み慣れた場所ですごすことができ精神的な負担を軽くすることができます。また、家族や職場の協力を得ながら、体調に合わせて家事や仕事を続けることもできます。
外来化学療法を受けた患者さんからは、「はじめは心配だった。治療のとき以外は自宅で好きに過ごせるから、外来にしてよかった」との声が聞かれています。
外来化学療法のリスク
入院治療では、医療者が毎日副作用症状を確認しますが、外来化学療法の場合、治療を受けて帰宅された後、副作用症状をご自身で管理する必要があります。そのためご自宅での対処が遅れないよう、緊急を要する症状(資料:連絡が必要な症状)についてあらかじめお伝えするとともに、症状がある場合は24時間対応できる体制を取っております。また、治療などで来院された時に、家での過ごし方をお聞きし、副作用症状に合わせた対処方法を一緒に考えさせていただきます。
治療を受けて困っていること、不安なことなどはいつでも医療者にお伝えください。(連絡先はこちら)
通院治療室の実績
当院は2015年(平成27年)の開院時から外来化学療法専用の部屋である通院治療室を運用しています。治療薬の開発により年々外来で化学療法を受ける方が増えています。
化学療法実施件数
通院治療室のスタッフ
専任の看護師が配置されており、点滴の投与や生活のご相談などの対応をさせていただきます。安心して治療が受けられるよう病気や治療法、副作用や生活の困りごとなど、不安に思うことがありましたら看護師にお伝えください。
受診当日の患者さんの動き
各科外来で診察を受けたのち、化学療法を実施することが決まったら、通院治療室で治療を行います。
治療決定まで
血液検査がある場合は、診察予約時間の1時間前までに病院にお越しください。
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正面玄関より入り右脇にある再来受付機で受付し、受付票を受け取ります。
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2階20番で血液検査を受けます。
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2階21番の通院治療室で、血圧や体温、体重測定を行います。
また、担当看護師が家での様子や副作用の程度、困りごとなどを確認し、ご相談させていただきます。状況に応じて医師と相談し、対処させていただきます。
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血液検査の結果が出ましたら、各科外来で診察を受けます。
治療後、つらかった症状(吐き気、便秘、下痢、痛みなど)や、家での様子について医師、または外来看護師にお伝えください。
治療決定後
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2階21番の通院治療室にお越しいただき基本スケジュールをお出しください。ベッドにご案内いたします。
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点滴の薬剤は治療が決定した後、薬剤師が確認し、調剤(薬剤の準備)します。
患者さんに正しい薬剤が正確に投与できるよう、薬剤師が内容や量の確認後、安全キャビネットを使用し調剤を行います。点滴が通院治療室に届くまでに時間がかかることもございますのでご了承ください。
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点滴が届き次第、治療を始めます。
点滴中に気分が悪くなったり、点滴をしている部分に変化がありましたらすぐに看護師にお知らせ下さい。
※点滴中は、なるべく通院治療室でお過ごし下さい。
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治療の点滴が終了し、気分が悪いなどなければ、1階の中央会計で会計を行い、帰宅となります。
治療時に必要な物
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点滴中にお食事をしていただいてもかまいません。
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治療が長時間かかる場合は、昼食等を準備されることをお勧めします。ただし、においの強い食べ物(するめ、キムチ、カレーなど)はお控えください。
治療に伴う内服薬がある場合、水分摂取が必要な場合は、飲み物をご準備下さい。
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スリッパ・タオル・着替えなどが必要な場合はご準備下さい。
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テレビをご覧になる場合はテレビカードとイヤホンをご準備下さい。
通院治療室の設備
ベッドとリクライニングチェアの2種類あります。
→基本は席を選ぶことができますが、混雑時には指定させていただきます。
トイレは室内にあります。
テレビ
→テレビカード(1000円)を1階に設置の販売機でお求めください。
ほかに、数社のウィッグのカタログと見本をとりそろえております。購入を考えている方は、看護師にご相談ください。(…紹介のみですので、購入はできません)
連絡が必要な症状と連絡先
早めに病院に連絡し、受診していただきたい症状
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38℃以上の発熱
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下血、喀血、吐血、不正出血、真っ赤な尿などの出血
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1日3回以上嘔吐して、1日以上食事がとれない
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通常の排便よりも5回以上多く激しい下痢
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おなかが張ってとても苦しい、吐き気がする
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頭・胸・お腹・腰などの強い痛み
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少し動いただけで動悸や息切れがある
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安静にしていても呼吸が苦しい
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体が急にむくんできた時
お手元に診察券をご準備いただき、連絡の際に外来化学療法を受けていることをお伝え下さい。
【連絡先】
魚沼基幹病院(代表:025-777-3200)
◆ 平日 8:30~17:00 >>> 各科外来
◆ 夜間・休日 >>> 救急外来