
柴田 真由美
臨床検査科長
臨床検査は病気の診断や治療に欠かせない分野の一つです。私たち、魚沼基幹病院の検査科では、「臨床に貢献する検査データの迅速提供、効率的な検査運用を追及する」をスローガンとして、日々業務をしています。
私たちが行う検査は、血液、尿、体液などをはじめ、手術で取り出された臓器や細胞、さらには患者様自身の体全体にまで及びます。それぞれの検査は専門の機器を使って行い、専門の資格を持つ技師により実施されます。さらに当検査科は今まで、魚沼地域では実施していなかった、遺伝子検査や血液疾患を特定する検査もできるようになりました。
臨床検査科は大きく3つの部門に分かれて通常業務に当たります。一つは、検体検査部門で、採血、尿検査、血液検査、生化学検査、輸血、細菌、遺伝子検査と多くの項目を担当します。次に生理機能検査部門ですが、心電図、呼吸機能、超音波検査、脳波、聴検、など患者様を直接、電極やその他各種センサーを用い検査をいたします。3つ目は、病理診断部門で、内視鏡や手術などで摘出された臓器の組織診断や細胞診断、および病理解剖などを行う部門です。各部門には、認定資格を取得した専門の技師や病理医がおり、それぞれ連携しながら正確で信頼のある検査データを臨床に提供しています。
私たちは、学生や研修生を受け入れ、将来に向けた人材の育成にも力を注いでいきます。そのため、学会参加を積極的に行い、演題等の発表を通してスキルアップを図り、将来の人材育成に努めます。また、大学や専修学校などの講師や講演依頼なども積極的に受け、学生教育に貢献いたします。
2016年度臨床検査科は、国際標準規格 ISO15189「臨床検査室-品質と能力に関する特定要求事項」の取得を大きな目標として揚げ、2018年10月に認定されました。今後は、認定の維持に向け、臨床検査の品質の担保に努めます。この取り組みを通してさらなる臨床貢献を果たしたいと考えています。
わたしたちは、迅速に正確で信頼のあるデータを提供することでチーム医療に貢献します。
部門方針
- 高度先進医療、急性期医療、救急医療に対応した臨床検査情報を提供します。
- 知識と経験を生かしたジェネラリストを目指します。
- 専門性を高め、スペシャリストを育成いたします。
- 他職種とのコミュニケーションを図り、チーム医療を推進します。
教育・研修
ラダー研修制度を取り入れ、個々のステップを明確にしながら教育を進め、過不足なく結果を出せるようにプログラムを組んでいます。各段階ごとのチェック項目を明確にし、到達目標を設定し、職員個々のモチベーションを高く保てるようにしています。
部門体制
臨床検査技師 26名
病理診断科医師 1名
准看護師 1名(採血室)
認定資格
細胞検査士 | 5名 |
国際細胞検査士 | 2名 |
認定輸血検査技師 | 3名 |
認定臨床化学・免疫化学精度保証管理検査技師 | 2名 |
POCTコーディネーター | 1名 |
遺伝子分析化学認定士 | 1名 |
超音波検査士(循環器) | 3名 |
超音波検査士(消化器領域) | 1名 |
血管診療技師 | 1名 |
認定救急検査技師 | 1名 |
日本DMAT隊員 | 1名 |
日本救急医学会ICLSインストラクター | 1名 |
臨床工学士 | 2名 |
時間外勤務体制
平日:宿直(代休制)1名+拘束1名
土日祝祭日:日直(代休制)、宿直(代休制)+拘束1名
セクション・設置医療機器
採血室
自動検査受付システム、採血管準備装置+連動型採血台
生理検査
心電計、超音波診断装置+計測判定システム、負荷心電計、脳波計、筋電計、精密呼吸機能測定装置、PSG計測装置、聴検装置など
検体検査
連結型自動分析装置、血清分注器、自動尿検査装置、自動血球分析装置、フローサイトメーター、血液ガス分析装置、自動輸血分析装置など
細菌検査
自動培養同定装置、結核菌検出装置、自動血液培養装置など
遺伝子検査
PCR検査用核酸増幅・検出装置、遺伝子解析装置、リアルタイム濁度測定装置、超微量分光光度計など
病理検査
ホルマリン換気システム、自動組織包埋装置、自動染色封入装置、自動免疫染色装置、バーチャルスライド、顕微鏡など
教育方針-使用しない
臨床検査科が院内スタッフ向けに発行する「検査科タイムズ」。
バックナンバーを皆様にご紹介します。
令和3年度(2021.4~2022.3)
学会・研究会・講演会
坂西清、杉山貴大、池田奈央、小池敦、柴田真由美.
当院における新型コロナウイルス検査の構築と推移.
2021年度 第30回魚沼シンポジア(口頭)
(新潟,2021年11月13日)
渡邉亮太、坂西清、星山良樹、田端篤、草間孝行.
新潟県内における微生物検査の内部精度管理に関するアンケート調査結果.
第94回新潟県臨床検査学会(口頭)
(新潟,2021年12月4日)
加藤瑞希、小林徹、林美佳子、柴田真由美、関義信.
寒冷凝集素症の診断・治療に温度作動域測定が有用であった一例.
第94回新潟県臨床検査学会(口頭)
(新潟,2021年12月4日)
※過去の研究・業績集はこちらをご覧ください。